香港の会社設立と銀行口座開設

最終更新 (日本時間)

向いている事業・向いていない事業

香港設立が向いている事業

  • 貿易・商取引で、売買契約の締結が香港外で行われるもの
  • サービス提供の実態が香港外にある国際的なサービス業
  • アジア圏の取引先との決済や資金管理の拠点
  • 香港・中国本土を中心とした市場での販売・マーケティング
  • 投資持株会社(ただし日本の外国子会社合算税制の要件確認が必要)

香港設立が向いていない事業

  • 事業の実態が主に日本国内にあり、香港での活動がない事業
  • マレーシア現地市場を主な対象とするサービス業
  • 香港での物理的な事務所・スタッフが不要な完全リモート型で、日本以外に活動拠点のない事業

費用と期間

香港の法人設立にかかる政府への公的費用は以下のとおりです。当社のサポート費用については 料金ページ をご覧ください。

香港の主な公的費用(2026-10-17 時点)
項目 金額 適用時点・備考 出典
会社設立登記料(電子申請・株式有限私会社) HK$1,545 改定日は会社登記局で要確認 会社登記局 手数料ページ
会社設立登記料(書面申請・株式有限私会社) HK$1,720 改定日は会社登記局で要確認 会社登記局 手数料ページ
事業登録料(1年証明書) HK$2,200 2024年4月1日〜2025年3月31日適用。2025/26年度以降は要確認 内国歳入局(IRD)プレスリリース 2024年3月
事業登録料(3年証明書) HK$5,870 2024年4月1日〜2025年3月31日適用 内国歳入局(IRD)プレスリリース 2024年3月
年次報告書(Annual Return)提出料・期限内(私会社) HK$105 設立記念日から42日以内に提出した場合 会社登記局 手数料ページ(Cap.622K)

設立所要日数について、電子申請(e-Incorporation)の公式な目安は会社登記局の公式ページに明示されていません。最新の情報は会社登記局の設立手続きのページでご確認ください。

必要書類

香港法人設立に必要な主な書類
書類 概要
Form NNC1 株式有限責任会社の設立申請書
Articles of Association(定款) 会社の基本規則
Form IRBR1 事業登録申請書(内国歳入局への届出)
取締役・株主の本人確認書類 パスポート等の身元確認書類
登記事務所の住所証明 香港内の実在する住所が必要

設立後の必須要件

  • 会社秘書役(Company Secretary):全ての私会社に1名が必要。香港に通常居住する自然人、または香港に事業所を持つ法人。唯一の取締役が秘書役を兼務することは禁止されています。
  • 登記事務所:香港内の実在する住所が必要です。
  • 重要支配者登録簿(SCR):非上場の全ての地場設立会社に保管義務があります(2018年3月1日施行)。法執行機関の検査に応じる必要があります。

口座開設で審査されること

香港の銀行口座開設は銀行が独自の審査(顧客デューデリジェンス / CDD)を行います。口座開設の可否は銀行の裁量的な判断に委ねられており、事前に結果をお伝えすることはできません。

香港金融管理局(HKMA)が示す、銀行が通常確認する主な事項は以下のとおりです。

  • 設立証明書・会社登記局の報告書など法人の存在を証明する書類
  • 実質的支配者(Beneficial Owner)の本人確認書類と所有・支配構造
  • 口座開設目的・事業内容・予定取引の詳細
  • 資金の出所(Source of Funds)に関する説明
  • 代理人の本人確認書類と委任状

HKMAは銀行に対し、事業実績のないスタートアップに過度な実績開示を要求することや、金融商品購入を口座開設の条件とすることを禁じています。

口座開設の審査内容については 香港の法人口座開設ページ もあわせてご覧ください。

日本の税金との関係

日本居住者が香港法人を設立・支配する場合、日本の税制への影響を確認する必要があります。

外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)

日本の外国子会社合算税制(措置法66条の6)では、外国子会社の租税負担割合が20%未満の場合、日本の親会社の所得に合算して課税されます。香港の利得税率は標準16.5%(HK$200万超の部分)であり、事業の実態や控除の状況によっては租税負担割合が20%を下回る可能性があります。ただし、外国子会社が「経済活動基準」(事業基準・実体基準・管理支配基準・所在地国基準)を満たす場合は合算課税の対象外となります。適用要件の詳細は国税庁(nta.go.jp)の公式資料をご確認ください。

CRS(共通報告基準)

香港は2017年1月1日から CRS(共通報告基準)を施行しており、日本は香港との最初の情報交換パートナー国の1つです。香港の金融機関は日本居住者の口座情報を日本の税務当局へ自動的に提供します。

日本・香港租税協定

日本と香港の間では2011年8月14日発効の租税協定があり、二重課税を一定程度排除します。配当・利子・使用料については条約上の源泉税限度税率が定められており、詳細は財務省(mof.go.jp)の公式資料をご確認ください。

個別の税務判断については、国際税務を専門とする税理士への相談をお勧めします。

よくあるご質問

香港法人の利得税率はいくらですか?

香港の利得税率は、課税対象利益が初めてのHK$200万以下の部分に8.25%、超える部分に16.5%が適用されます(2018/19課税年度以降)。ただし香港の利得税は源泉地主義を採用しており、香港を源泉としない利益は課税対象外となる場合があります。個別の判断は税理士にご相談ください。

香港法人に必要な取締役の要件は何ですか?

香港の株式有限私会社には、最低1名の取締役(自然人)が必要です。国籍・居住地の制限はなく、日本居住者でも取締役になれます。また、会社秘書役(Company Secretary)の任命が義務で、唯一の取締役が秘書役を兼務することは禁止されています。

香港の年次報告書(Annual Return)の提出期限はいつですか?

私会社の場合、設立記念日から42日以内に会社登記局へ年次報告書を提出する必要があります。期限内(42日以内)の提出手数料はHK$105で、9ヶ月以上遅延した場合はHK$3,480の延滞手数料が発生します。

香港の会社秘書役は何をする人ですか?

会社秘書役(Company Secretary)は、会社登記局への申告書類の準備・提出、取締役会・株主総会の議事録管理、法定登録簿の維持管理などの法定業務を担う役職です。香港の全私会社に1名が必要で、香港に通常居住する自然人または香港に事業所を持つ法人が任命できます。

香港法人の事業登録料はいくらですか?

2024年4月1日から2025年3月31日までの適用料金は、1年証明書でHK$2,200、3年証明書でHK$5,870です。2025/26年度以降の料金は内国歳入局(IRD)の公式サイトでご確認ください。

香港の利得税は海外で稼いだ利益にも課税されますか?

香港の利得税は源泉地主義を採用しており、香港を源泉とする利益のみが課税対象です。事業活動の場所に基づく「オペレーションズ・テスト」によって判定されます。海外での活動から生じる利益が課税対象か否かは個別の事業状況によって異なり、税理士への確認が必要です。

無料相談のご案内

香港での法人設立をご検討の場合は、まず無料相談(30分・Zoom)でご状況をお聞かせください。フォームまたは電話(050-4560-1792、平日10:00〜19:00 日本時間)でお問い合わせください。

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出典

  • 香港会社登記局(Companies Registry)手数料ページ(確認日 2026-10-17)https://www.cr.gov.hk/en/services/fees.htm
  • 香港会社登記局(Companies Registry)取締役・秘書役FAQ(確認日 2026-10-17)https://www.cr.gov.hk/en/faq/local-company/directors-secretary.htm
  • 内国歳入局(IRD)事業登録料改定プレスリリース 2024年3月(確認日 2026-10-17)https://ird.gov.hk/eng/ppr/archives/24030602.htm
  • 内国歳入局(IRD)利得税(確認日 2026-10-17)https://www.ird.gov.hk/eng/tax/bus_pft.htm
  • 内国歳入局(IRD)CRS施行(確認日 2026-10-17)https://www.ird.gov.hk/eng/pdf/2016/guidance.pdf
  • 香港金融管理局(HKMA)口座開設 必要情報(確認日 2026-10-17)https://www.hkma.gov.hk/eng/smart-consumers/account-opening/information-required/
  • 財務省「中華人民共和国香港特別行政区との租税条約のポイント」(確認日 2026-10-17)https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/press_release/sy221109aho.htm
  • 国税庁 外国子会社合算税制Q&A(確認日 2026-10-17)https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/180111/pdf/01.pdf

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