ラブアン法人の設立

向いている事業・向いていない事業
ラブアン法人が向いている事業
- 国際的な投資持株会社(純粋株式保有は実質要件免除)
- 非居住者を相手とした国際的な金融サービス・コンサルティング(実質要件を充足できる場合)
- アジア地域の事業再編における中間持株会社
ラブアン法人が向いていない事業
- ラブアン内に物理的な事務所・スタッフを置けない事業(実質要件を満たせないため24%課税となる)
- マレーシア国内の居住者を主な取引相手とする事業(為替管理上の制限がある)
- 日本・マレーシア租税条約の軽減税率適用を前提とした事業(ラブアン事業体は原則除外)
費用と期間
ラブアン法人設立にかかる主な政府手数料は以下のとおりです。当社のサポート費用については 料金ページ をご覧ください。
| 項目 | 金額 | 適用時点・備考 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 会社名予約(Form 9) | USD 30 | COR@Lシステム経由、承認は24時間以内、予約有効期間3ヶ月 | LFSA 設立手続きページ |
| 登録料(払込資本金RM50,000以下) | USD 300 | 現行(2026-10-17確認) | LFSA 設立手続きページ・FAQ Q18 |
| 登録料(払込資本金RM50,000超〜RM100万未満) | USD 600 | 現行 | LFSA FAQ Q18 |
| 登録料(払込資本金RM100万以上) | USD 1,500 | 現行 | LFSA FAQ Q18 |
| 年次料(ラブアン会社) | USD 1,000 | 2026年1月1日以降。毎年1月15日までにLFSAへ支払い | LFSA 2026年年次料改定通知 |
書類・デューデリジェンスが完了してからLFSAの承認まで24時間以内とされています。ただし信託会社(LTC)によるデューデリジェンスに要する期間は含みません。
必要書類
ラブアン法人の設立はLFSAにライセンスを受けた信託会社(Labuan Trust Company / LTC)を経由することが必須です。申請人はLTCを指名し、LTCがデューデリジェンスを実施します。
| 書類 | 概要 |
|---|---|
| 定款(Memorandum and Articles of Association) | 会社の目的・規則を定めた基本書類 |
| 取締役同意書 | 各取締役が個別に記入する書式 |
| 信託会社による法定コンプライアンス宣言書(Form 6) | LTCが申請人のデューデリジェンスを実施したことの宣言 |
| 取締役・株主の本人確認書類 | パスポート等。受益所有者の情報も含む |
| 登録費用の支払い証明 | LFSAへの手数料支払い |
口座開設で審査されること
ラブアン法人の銀行口座はラブアンまたは海外の金融機関で開設できます。ラブアン内の金融機関はLFSAのAML/CFT(マネーロンダリング・テロ資金供与対策)ガイドラインに基づき審査を実施します。
- 会社名・法形式・存在証明となる書類
- 管理権限・代表権の確認
- 受益所有者(Beneficial Owner)の特定(持分25%超の自然人)
- 口座利用目的・事業内容・取引の詳細
口座開設の可否は銀行の独自判断によるものであり、結果を事前に確約することはできません。
日本の税金との関係
ラブアン法人と日本の税制の関係には、特に注意が必要な点が複数あります。
外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)
日本の外国子会社合算税制では、外国子会社の租税負担割合が20%未満の場合に合算課税が生じえます。ラブアン事業体のLBATA税率はトレーディング活動で3%、非トレーディング活動で0%であり、通常この閾値を大きく下回ります。ただし、事業実態のある能動的所得については経済活動基準による除外規定があります。適用の可否は個別の事業状況によって異なるため、税理士にご相談ください。
日本・マレーシア租税条約とラブアンの関係
1999年12月31日に発効した日本・マレーシア租税条約の議定書には、ラブアン事業体(Labuan Business Activity Tax Act 1990 第2条(1)に基づきオフショアビジネス活動を行う者)には同条約の免税・減税規定が原則として適用されない旨の条項があります。このため、ラブアン法人は日本・マレーシア租税条約の軽減税率を原則として享受できません。
CRS(共通報告基準)
マレーシアは2018年からCRS(共通報告基準)に基づく金融口座情報の自動交換を実施しています。ラブアンの金融機関はLFSAが所管するAML/CFTガイドラインに従い、口座情報を報告する体制にあります。
個別の税務判断は、国際税務を専門とする税理士にご相談ください。
よくあるご質問
ラブアンとはどのような場所ですか?
ラブアンはマレーシアの連邦直轄領(ボルネオ島北西部の島)で、ラブアン金融サービス局(LFSA)が監督する国際ビジネス金融センターです。ラブアン事業活動税法(LBATA)に基づく優遇税制が適用され、国際的な金融・投資・トレーディング業務の拠点として活用されています。
ラブアン法人の税率はいくらですか?
ラブアン事業活動税法(LBATA)に基づき、トレーディング活動(貿易・サービス等)には監査済み純利益の3%、非トレーディング活動(純粋な投資保有等)には0%の税率が適用されます。ただし優遇税率の適用には実質要件(物理的な事務所・フルタイム従業員の常駐・適切な運営費用の支出)を満たす必要があります。実質要件を満たさない場合は24%の標準税率が適用されます。
ラブアン法人の実質要件とは何ですか?
LFSAのガイドラインでは、ラブアン内に①物理的な事務所(登録事務所ではなく実体を持つ事務所)、②フルタイム従業員、③適切な運営費用の支出という3つの実質要件が求められます。この要件を満たせない場合、LBATAの優遇税率(3%・0%)ではなく24%の標準税率で課税されます。
ラブアン法人の年次費用はいくらですか?
LFSAへの年次料は2026年1月1日以降USD 1,000(毎年1月15日までに支払い)です。それ以前はUSD 800でした。これに加え、信託会社(LTC)への報酬・法定監査費用・税務申告費用が別途発生します。
ラブアンのトレーディング活動と非トレーディング活動の違いは何ですか?
LBATAの定義では、ラブアン事業体が行う活動はトレーディング活動(銀行業・保険業・貿易・管理・ライセンス・船舶運航等を含む広範な活動)と非トレーディング活動(純粋な株式・証券・不動産の保有)に分けられます。トレーディング活動には3%、非トレーディングには0%が適用されます。どちらに該当するかは個別の事業内容によって判断されるため、税理士への確認が必要です。
ラブアン法人の銀行口座はどこで開設できますか?
ラブアン法人の口座はラブアン内の金融機関(ラブアンでライセンスを受けた銀行)または海外の金融機関で開設できます。ラブアン内の金融機関はLFSAのAML/CFTガイドラインに基づき審査を実施します。口座開設の可否は銀行の判断によるもので、結果を事前に確約することはできません。
無料相談のご案内
ラブアン法人の設立についてご相談は、フォームまたは電話(050-4560-1792、平日10:00〜19:00 日本時間)からお問い合わせください。
出典
- ラブアン金融サービス局(LFSA)設立手続きページ(確認日 2026-10-17)https://www.labuanfsa.gov.my/areas-of-business/labuan-structures/labuan-companies/incorporation-and-registration-procedures
- ラブアン金融サービス局(LFSA)FAQ(確認日 2026-10-17)https://www.labuanfsa.gov.my/areas-of-business/labuan-structures/labuan-companies/faq
- LFSA 2026年年次料改定通知(確認日 2026-10-17)https://www.labuanfsa.gov.my/clients/asset_120A5FB8-61B6-45E8-93F0-3F79F86455C8/contentms/img/documents/Legislation_and_Guidelines/Guidelines/general/2025/Notice-on-2026-Annual-and-Licence-Fees_Revised-Fee-Structure-Effective-1-Jan-2026_11112025.pdf
- マレーシア国税庁(LHDN)ラブアン・トレーディング活動ガイドライン(確認日 2026-10-17)https://www.hasil.gov.my/wp-content/uploads/guidlines-labuan-trading-activity-and-labuan-non-trading-activity.pdf
- 財務省 日本・マレーシア租税条約 MLI適用状況(確認日 2026-10-17)https://www.mof.go.jp/english/policy/tax_policy/tax_conventions/mli_Mal.html
- 国税庁 外国子会社合算税制Q&A(確認日 2026-10-17)https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/180111/pdf/01.pdf
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