香港の就労ビザ(就労許可)申請ガイド

最終更新 (日本時間) 執筆 KSKパートナーズ株式会社

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香港で就労・経営活動を行うには入境事務処理局(Immigration Department)が発給する就労ビザ(就労許可)が必要です。香港の就労ビザ制度は一般就労政策(General Employment Policy:GEP)を根拠としており、専門職の雇用枠と起業家枠の2つがあります。審査は完全に裁量的であり、要件を満たしていても承認が保証されるものではありません。主要なビザ種別・申請要件・必要書類・帯同者ビザを実務的な視点で整理します。

香港の就労ビザ種別一覧

種別 対象 初回滞在期間 処理時間の目安
GEP 専門職 現地で充足できない職種への外国人雇用 スポンサー雇用期間にリンク 通常4〜6週間
GEP 起業家枠 香港での起業・事業展開 最長36ヶ月 書類完備後通常4週間
帯同者(Dependant) 就労ビザ保有者の配偶者・未婚未成年子 スポンサーの滞在期間にリンク 書類完備後通常6週間

香港の就労ビザ制度の概要

香港の入境管理は「入境条例(Immigration Ordinance)」に基づき入境事務処理局が運用しています。就労ビザはビザ(Visa)ではなく「入境許可(Permission to Land / Permission to Remain)」として発給される場合もありますが、実務上は就労ビザと同義で使われます。香港は中国本土とは異なる入境制度を持っており、中国本土への訪問・就労とは手続きが完全に独立しています。

就労ビザには条件(Employment Condition)が付記されており、特定の雇用主・職種での就労のみが認められます。フリーランスや副業など、条件外の就労は許可なく行うことはできません。就労許可を違反した場合は強制退去・将来の申請への悪影響など厳格な制裁が課される可能性があります。

GEP 専門職ビザの要件

GEP 専門職ビザ(General Employment Policy / Professional)は、香港の現地労働市場で充足できない職種に外国人を採用する場合に発給されます。申請には以下の条件を満たす必要があります。

  • 関連分野の学士号、または相当の技術資格・職業実績を有すること
  • 香港内の企業から真の求人があること
  • 当該職種が現地の労働市場で充足できないこと
  • 市場水準に見合う報酬(給与・手当)を受けること

申請書類は申請者本人・スポンサー企業双方の書類が必要です。申請者側の書類には旅券・学歴証明書・職歴証明(推薦状・在籍証明など)・履歴書が含まれます。スポンサー企業側は業務登録証明書・雇用契約書・採用理由の説明文が必要です。処理時間は書類が完備されてから通常4〜6週間です。

対象外となる国籍・地域があります。中国大陸の中国居住者(海外永住権保有者を除く)、アフガニスタン・キューバ・北朝鮮の国籍者は申請できません。該当する場合は入境事務処理局への直接確認が必要です。

GEP 起業家枠の申請要件

GEP 起業家枠は、香港で独立して事業を起こす外国人向けの入境許可です。法人設立または既存法人への参加を前提に審査されます。初回は入境後最長36ヶ月の滞在が許可されます(2022年12月28日以降の申請から2年から3年に延長)。

審査で確認される主な項目は以下のとおりです。

  • 教育背景:通常は関連分野の学士号が求められます。
  • 事業計画書:3年間の事業計画を提出します。
  • 財務予測:損益・キャッシュフロー・バランスシートの3年間の予測が必要です。
  • 現地雇用:香港居住者の雇用創出計画を示します。
  • 新技術・スキルへの貢献:香港経済への貢献度が評価されます。

申請には香港在住のスポンサー(企業または18歳以上の個人)が必要です。申請手数料は結果に関わらず返金されません。承認は入境事務処理局局長の完全な裁量に委ねられており、要件を満たした場合でも承認が保証されるものではありません。

ビザ更新と滞在期間の管理

GEP ビザは初回の承認後、継続して要件を満たしている限り更新が認められます。専門職ビザは雇用契約の期間に連動しており、転職や雇用主の変更の際には新たなビザ申請(Variation of Condition)が必要になる場合があります。更新申請は入境事務処理局の審査を経るため、有効期限の数週間前には手続きを開始することをお勧めします。起業家枠は事業の継続を前提に更新が可能です。更新申請は有効期限が切れる前に余裕を持って行うことをお勧めします。

香港の就労ビザには就労条件(Employment Condition)が付記されており、許可された雇用主・職種の範囲外での就労は認められません。フリーランス活動や副業を行う場合は事前に入境事務処理局への確認が必要です。未申告の就労は入境違反となる可能性があるため、ビザの条件を十分に確認してください。

申請手続きの流れ

ビザ申請はオンラインまたは書面で入境事務処理局に行います。一般的な流れは以下のとおりです。

  1. スポンサーの選定・確定(企業または個人)
  2. 必要書類の収集・翻訳(中国語または英語への翻訳が必要な場合がある)
  3. 申請書の作成・提出
  4. 追加資料の提出(入境事務処理局から照会が来た場合)
  5. 承認通知の受領と入香港手続き

ビザが承認されると「承認通知書(Approval-in-Principle Letter)」が発行されます。この通知書をもとに香港に入境し、身元証明書(ID Card)の取得手続きへ進みます。取得できないケースもあるため、香港入境前に代理人(移民コンサルタント等)への相談をお勧めします。

帯同者(Dependant)ビザ

就労ビザ保有者は配偶者・未婚の未成年子(18歳未満)を帯同者として香港に呼ぶことができます。また、香港永住権者がスポンサーの場合は60歳以上の親も申請対象となります。帯同者ビザの処理時間は書類完備・手数料受領後通常6週間です。

帯同者ビザの滞在期間はスポンサー(主申請者)の滞在期間に準じます。ただし就学目的の帯同者については初回12ヶ月の滞在期間が付与されます。スポンサーは「生活水準が生活保護ラインを大幅に上回る」財政的サポートと、適切な住居の提供を証明する書類が必要です。帯同者ビザの承認も入境事務処理局局長の裁量によります。スポンサーのビザが取り消された場合は、帯同者ビザも連動して取り消しの対象となるため、スポンサーのビザ維持が最優先です。子どもが香港で就学する場合は、帯同者ビザで通学できますが、帯同者による就労は原則認められていないため、別途ビザの取得が必要です。

ビザ申請の注意点

香港の就労ビザ申請では、提出書類の信頼性と一貫性が審査で重視される要素です。学歴証明書や職歴証明は公証・認証が求められる場合があります。財務予測(起業家枠)は根拠のある数値を示すことが重要であり、現実と乖離した楽観的な予測は審査に悪影響を与える可能性があります。弁護士や移民コンサルタントに書類のレビューを依頼することをお勧めします。

ビザ申請を会社設立と並行して進める場合は、スケジュール管理が大切です。会社設立の完了→スポンサー書類の準備→ビザ申請という順序になるため、全体で余裕を持ったスケジュールを組むことをお勧めします。香港入境前にビザが取得できない場合、現地での活動が制限されることになります。代理人として認定された移民コンサルタントまたは弁護士(Solicitor)を選任すると、書類不備による再申請のリスクを下げられます。

永住権(HKPR)の申請資格

香港永住権(HKPR:Hong Kong Permanent Resident)は、ビザ保有者として香港に7年以上継続して居住した場合に申請資格が生じます。永住権取得後は就労ビザの更新が不要となり、香港内で自由に就労・経営活動ができます。7年の計算には香港域外での滞在期間を除いた実質的な居住期間が適用されます。永住権の申請詳細は入境事務処理局の公式サイトで確認してください。

当社の案内

当社(ADEG)は香港の法人設立代行を承っており、就労ビザ申請の情報提供と相談受付も行っています。ビザ申請そのものは入国管理の専門家(移民コンサルタント・弁護士)が対応しますが、会社設立とビザ申請のスケジュール調整についてご相談いただけます。設立代行のお客様には、連携している現地の移民専門家をご紹介することも可能です。お問い合わせはお電話(050-4560-1792、平日10:00〜19:00)またはフォームからどうぞ。

香港の会社設立の詳細については香港とシンガポールの比較記事をご参照ください。マレーシア・ラブアンのビザとの比較はアジア4拠点の比較をご覧ください。費用の詳細は料金ページに掲載しています。

マレーシアのEmployment Pass(EP)とは何ですか?

Employment Pass(EP)はマレーシアで外国人が就労するために必要なビザです。2026年6月1日以降の基準では、カテゴリIが月給RM20,000以上、カテゴリIIがRM10,000〜RM19,999、カテゴリIIIがRM5,000〜RM9,999(製造業はRM7,000)です。会社側の要件(設立資本金・事業実態など)もあるため、詳細はマレーシア入国管理局または担当者にご確認ください。

香港の起業家ビザ(投資による入境)の取得要件は何ですか?

香港入境事務処(ImmD)の「投資による入境」(Admission for Investment)は、香港に合法的に設立された会社の株主・共同経営者を対象とした在留資格です。申請は個別の裁量審査で、香港経済への貢献(投資額・事業の実行可能性・雇用創出など)が審査されます。承認は保証されておらず、要件は入境事務処の公式サイトをご確認ください。

帯同ビザの申請はできますか?

香港・マレーシアともに、就労ビザを取得した本人の配偶者・子どもを帯同するビザ制度があります。香港では「扶養家族として入境」(Dependent Visa)、マレーシアでは「依存パス(Dependent Pass)」として申請できます。申請要件・所要期間は個別の状況によって異なるため、担当者にご確認ください。

海外法人を設立すれば就労ビザは取得しやすくなりますか?

海外法人の設立は就労ビザ申請の要件の一部となる場合がありますが、それだけでビザが自動的に取得できるわけではありません。ビザ審査では事業の実態・投資額・雇用創出・申請者の背景などが総合的に判断されます。ビザの申請可否については現地の入国管理局または専門家にご確認ください。

出典

  • 入境事務処理局「General Employment Policy(起業家枠)」(確認日 2026-10-17)https://www.immd.gov.hk/eng/services/visas/investment.html
  • 入境事務処理局「一般就労ビザ入境ガイドライン」(確認日 2026-10-17)https://www.immd.gov.hk/eng/services/visas/immigration-entry-guideline.html
  • 入境事務処理局「帯同者ビザ」(確認日 2026-10-17)https://www.immd.gov.hk/eng/services/visas/residence_as_dependant.html
  • 入境事務処理局「永住権」(確認日 2026-10-17)https://www.immd.gov.hk/eng/services/visas/permanent_residence.html

この記事は、公的機関が公開している情報をもとに、制度の一般的な内容を説明したものです。個別の税務の判断は税理士が行います。制度は改正されることがあるため、手続きの前に最新の情報をご確認ください。

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